“こんにちは”

「こんにちは。あのね、よく分かんないけど来ちゃった」


 そう言ったら、『のはら』は笑った。


“あなたを呼んだのは、私なの。お願いがあるんだ”

「おねがい?あたしに?」

“そう。あのね……




   その子を、あの部屋から連れ出して欲しいの”



              ♪






「ちょっとこのみ、大丈夫?」


 おねえちゃんの声で、パチッと目を開いたあたし。


 ここは……どこ?ベッドの上じゃない。体中が痛い。


 まだ、夢の中なの?


 ――いえいえ、ちがいます。『ベッドの上』は、頭の上。


 ……どうやらあたしは、寝てる間にベッドから落ちたようです。


 ……痛い。