ひみつのはら


 こういうときに、だいたい最後まで残るのは――あたしたちチューリップ組。


 みんな暗くなってからお迎えに来るから、幼稚園に慣れてないんだって。


 だから、ほーら。まだ残ってるあたしたち。


 見回すと、みんな苦笑いしてる。子どもだって、もう残ることには慣れっこだもんねー!


 ……と思ったけど。あれ?チューリップ組じゃない子が1人……。


「もー、お母さんたち遅いなー」


 梅組のリーダー的存在・わたるくんだ。


「わたるのところもまだなの?」


 さっちゃんが訊いたら、わたるくん、ためいき。


「たぶん、先に妹たちのところに行ってる。だから、おれは後回し」


 そっか。あたしには弟や妹っていないから分かんないけど……きっとゆかちゃんやナオちゃんも、いっぱいガマンしてるんだろうな。


「みんなも早く来るといいな!……て、そういえば」


 わたるくんってよく先生に怒られるけど、いい奴なんだなー。


 そんなわたるくんは、たっくんをじーっと見ていた。


「たっくん、今日親来てないの?お昼とかどうするんだ?」


 そして、サラッと訊いた。


「友達の家族と食べるから、だいじょうぶ」


 それにちょっと笑って答えるたっくん。大人がよくやる「アイソ笑い」ってやつかな?


 子どもでもできるんだ。