ひみつのはら


 ええい、もう言われる通りにやっちゃえ!


「よし、とったな。お、次はあいつだ!」


「う~っ、手ェ届かない……あっ、ヤダ~!!」


「バカ、何やってんだよ。仕方ない、一回引くぞ!」


 ……とまぁ、あたしも遊理兄ちゃんもそりゃもう必死。


 でも、おかげで2個ゲット!


 ちょっとはしゃいでたあたしに、ふいに遊理兄ちゃんが聞いた。


「あれって、このみと同クラだよな?保護者来てねーのかな?」


 え?そんな人……いたんだ。


 それは、飛鳥先生におんぶされてる―――たっくん。


「そういえば前、お父さん忙しいって……お医者さんなんだって」


「おっと、お坊ちゃんか?にしても……」


「どうしたの?」


「いや、世の中分からないなと思って」


 大の大人が、何を言ってるんだ?


 大人なら、分からないことなんてないでしょ!


「母親の方は?出てる家庭もあるけど」


「えっと、たしかいないって」


 そしたら、遊理兄ちゃんはますます難しい顔になった。


 あたしにはそんな顔しないのに……変なの。