ひみつのはら


 とりあえず、あたしたちは自己紹介。


「あたし、たっくんのクラスメイトの小川このみです。ええと、お熱のせいで……ベッド借りてました」


「お熱?あ、ホントだ。横になってていいよ。私はその……たっくんの姉の、美咲です」


 ええ!?たっくんのお姉さんって……大人(大学生くらい)だったの?!


 でも、なんだろう。2人――たっくんもみさきさんも、目を合わせない。


 なんだか……仲良くないみたい。だって、


「……つか、来てたんだ」


 なんて言われてるし。いつもはおみまい、しないのかな?


「さて、このみちゃんはどうしてこんな所にいたのかな?お母さんは?」


「え、ええと」


 まずい。小林姉弟のこと観察してて、自分のこと忘れてた。


 ジマンじゃないけど、あたしは友達に親のことを話したことがない。


 だからあたしが従姉と暮らしてることを知ってるのは、おとなりの宮本一家と先生たちだけ。


 だから……ええとね……。


「こっちゃんのお母さん、いないんでしょ?」


 そう言えない……え、ええ?


「た、たっくん!?何を言ってるのかな?!」 


「さっきこっちゃん、うなされながら言ってたよ。『お母さん行かないで』って」