ひみつのはら


 思わず泣きたくなる。でも、泣かないよ!


 1人でだって、へいき、だもん。


 だって、だって……。


「こっちゃん?」


 必死に涙をこらえてたら、ふいに聞いたことのある声がした。


 ―――え?なんで?


「やっぱりこっちゃんだ。……泣いてるの?」


 後ろを見たら、思った通りの姿。それはあたしのクラスのおなじみチビ男子・たっくん!!


「チビは余計だ!どうしたの?」


「な、泣いてない!ちょっとお熱があるの!……」


 く、くやしいけど……ほっとした。知り合いがいると、こんなにも安心するのか。


「それでしょーにかに行くところなの!」


「迷子?」


「ちがう!じゃ、急ぐから。じゃーね!」


 ギクッとして、あわててそう言って、駆けだそうとしたら。


「……こっちゃん、迷子なんでしょ?ここ、4階―――入院してる人のいる階だよ。小児科はたしか1階」


 ……はい?今あなた、なんて……。


「う、受付のおばさん『かいだん4つすぎたとこ』って言ったよ?」