ひみつのはら


 あたしの呆然とした顔に気づいたのか、おばさんはあわてたように言った。


「じ、じゃあ、おうちの人が来るまで待ってようか。1人で平気?」


 それは、平気だけど……。……ええと……。


「あ、一番前の席が空いたから、そこで……」


「いい、です。1人で行きます」


 あたしの言葉に、今度はおばさんがビックリする。


「え?」


「あたし、1人で行きます。場所、どこですか?」


 おお、あたしにしてはしっかりした言葉!


 ―――今、おばさんが言ったの聞いて、思ったんだ。


 あたし、今までおねえちゃんに甘えてたんだよね。おねえちゃんやさしいからって。


 けど、おねえちゃんは大変だったんだろうな。大学にアルバイト、ごはん作ったりおそうじしたり、やることはいっぱい。


 そのうえあたしのめんどうなんて。


 どう考えてもさ、「あたし」はメイワクだよね?


 それなのに、何も気付かないで、やってもらうのが当たり前になってて……。


 そうなんだよ。やれることはやらなくちゃ。


 だからまずは、1人でお医者さんに行くこと!


 そう考えたんだ。


「そ、そう?じゃあ……」