ひみつのはら


『小川 このみさん 小川 このみさん受付まで……』


 う、うわぁぁぁぁ!!


 だ、だいじょうぶだよ!あたし、もう6歳だもん、1人でだって、行けるもん!


 ドキドキしながら受付へ行く。そして、背伸びしてカウンターに顔を出す。


 そこには、看護師さんの服をきたおばさんがいた。あたしに気づいて、「ん?」と声を出す。


「どうしたのかな?1人?」


「……おが、わ……」


 し、しっかりしろ、あたし!


「ああ、もしかして小川このみちゃん?おうちの人は?」


「……いまは、行っちゃって、いない……です」


 うまく言えてるかな?


「まあ、病気の子を置いて――に行っちゃったの!?なんていう親なの!?」


 え?今ちょっと周りがうるさくて聞こえなかった。


 あたしの声も届いてるか分かんない―――そう思ったとき。


「全く……子供のこと、大切じゃないのかしら」


 おばさんのつぶやきが、少し聞こえた。


 ―――え?


 あたし、大切じゃないの?おねえちゃんにとって?


 そ、そんなことないよね!?