超能力者だけの世界で。




「氷河…!!」

「青崎さんっ!!」



青崎氷河の力には制限がある。


『氷世界の王』


その力は強いが故に体が力についていけるか。

と、いう問題がある。

相手の力は『今』の氷河よりは
断然強い。


氷河はもう、肩で息をしている。


「ヤバイな…。」

「氷河!!『氷世界の王』を使えば良いだろう?」

「駄目なんだ…。俺は…コレを使ったら、誰が被害に逢うか分からねぇよ…。」



誰かを傷つけてしまうかもしれない。

使う事を躊躇っていた。


あの人も氷河のせいで消えてしまったのだから。


相手の動きは速く、避けるので精一杯だった。


氷の固さも鋭さも刃物同然。




「っ…。」

「青崎さん!!」



改造能力者の周りの冷気が急に強くなったと思うと、相手の氷の刃が地面から現れた。

氷河は避けきれず、
それを真っ正面から受けてしまった。


怪我を負わない訳がない。


雹夏は慌てて氷河の元に近づいた。



「雹夏さん…。危ないです…!!」

「私もやります。見ているだけなんてできません。」

「え…?」