超能力者だけの世界で。




―中央区・サンセットロード―




中央区の大きなお店などが建ち並ぶ街道。



白髪の青年の時田破流は、人混みに紛れていた。




「なんだい?破流が俺を呼びだすなんて。」


「カンジ…。」




破流は東区代表の磁波カンジを呼び出した。



「弟の事、闇原くんから聴いた。」
「面白い奴だろ?」

「黒い電撃。あれ…彼自身の力じゃないよね?」

「ああ。」



カンジは楽しそうな声で言う。
破流はそんな彼を怪しく思う。

彼の考えている事がわからないからだ。



「これ以上は破流の触れる事じゃない。弟を頼むよ。」



カンジは人混みに紛れて歩き始めた。

破流はその姿を目で追った。



「大切な弟を大切に扱ってくれよ…?破流。」



磁波カンジは、子供のような無邪気の笑顔を浮かべた。