エレキの部屋。



前の磁波カンジは、偽物だったのか。

それをずっと気にしていた。

ベットに寝そべる。


すると、
ベランダの方から窓を叩く音がする。



「闇原さん。」

「悪いな。」

「スーツじゃない…。」

「そこかよ。」



黒也は半袖半ズボンの姿。


エレキは晩御飯を作ったみたいだが、まだ一つも手をつけていないらしい。

黒也はつまみ食いをする。



「お前、料理できんのか。意外だな。」

「普通ですよ。」

「何か困ったら相談しろよな…。」
「はい。」



黒也は然り気無く言う。
エレキは素直に返事をする。


黒也の赤い鋭い目も優しい。



「俺、ココに来て良かった。闇原さんも皆も親切にしてくれて…ありがとうございます。」

「何言ってんだよ…」



顔を赤くする黒也。
エレキは、意外だと思った。


そして、夜は更けて行く。



今、ココにいられるのは…。
この能力があるおかげだった。

今は、あの人にお礼が言いたい。
しかし、姿は見えない。
きっと、いつか…


今度は自分から会いにいけるようになりたい…。