超能力者だけの世界で。



「ああ…。」


木の下には、
闇原黒也の姿があった。



「闇原さん…!!」



黒也はエレキの所に軽く跳躍してくる。

とんでもない跳躍力だ。



「エレキが辻斬りに会ったのなら話が早い。俺達は破流さんの命令で頼まれた。『助けろ』と。」

「え?本当ですか?」



エレキは気が抜ける。
簡単に話が進んでいる。


黒也は氷河の顔を見る。



「何だよ、闇原。」

「いや、俺のやった紙忘れて無いだろうな…。」

「あ゛。」

(そう言えば…。昨日渡された紙に…)



青崎氷河は、闇原黒也に何かを頼まれていた。

闇原黒也は氷河に
ある事を頼んでいた。

氷河は慌てて木から降りる。



「お前に渡す物があるんだ。ちょっと待っててくれ。」

「はい。」

「ここには掟があってな。昨日の夜に頼んだんだが…。見事にすっぽかしてくれたようだ。」



黒也は呆れ顔だ。
エレキは掟の事は初めて聴いた。

その掟は意外だった。


青崎氷河は、何かを持って走ってくる。



「はい。」

「スーツ…?」

「多彩荘の住民は、町を守る為に動かなければならない。それが、家賃無しの理由であり、俺達の義務。」


「えぇ?」