超能力者だけの世界で。


少年は止まったエスカレーターを駆け上がる。

主犯の仲間をなぎ倒して先に進む。

フロアを走り抜ける。


「…くそっ…。」


能力を使いすぎ、体力が減ってきた。

電化製品売り場から響く謎の声。
人質は屋上に多数。
目的地はそこだ。


「なっ…!?」


急に足に何かが引っかかり倒される。


「あ、間違えた。青崎だ。」

「痛ぇな!!何すんだ!!」


2人は氷河の知り合いだった。
足を引っかけてきた黒い髪と青い髪の高校生2人組。


「澪原、闇原!?」

「氷河じゃん、何してるの?」

「こっちのセリフだ。」


澪原水流と闇原黒也。
2人も巻き込まれたようだ。
縄で手を縛られていた。

でも、氷河は彼らがわざと捕まったとしか思えない。


「おい、青崎。」


黒也は縛られている縄を影を操って切って立ち上がる。


「この事件の目的は?」

「分からない。でも、仲間は普通の人間だった。全員。」


能力者なら必要ない武装をしていた。

因みに、能力者は普通の人間には手を出してはいけない決まりがある。
氷河は開き直る。

黒也は腕を組んで、冷静な口調で言った。


「なるほどな、本当の人質は俺達だったか。」

「え…!?」


水流はひどく驚いている。
氷河も言葉を失った。
まずいな…と黒也は呟く。


「五区代表を呼び出し、能力者が普通の人に手を出せないことを利用して殺す。それを町中に流す。町を混乱させるために。」

「つまり、最終的な目的は…能力者の存在を消すことか。」