超能力者だけの世界で。



(やっぱり、全身に力を使うとなると…疲れる。)


女の子の側に来ることが出来た。
氷河はその子を抱きしめて、泣き止まそうとしている。


泣き止むまでは、エレキという存在が落雷を『消す』。


磁波エレキの力は、
簡単に言うと、



『破壊』。



全てを破壊する黒い電気。
能力も、全て。



暫くすると、空が晴れた。



氷河はその子をおぶっている。

エレキは黒い手袋をはめた。



「気をつけてください。」

「サンキュー。お前が居たからボロボロにならないで済んだ。」

「あの、携帯電話の電池パック貸して下さい。」

「え?」

「俺の能力は充電式ですから。」



空は綺麗に晴れている。

エレキは疲れはてていた。
氷河は携帯電話の電池パックを渡す。


片手の手袋を外して、電池パックを軽く握る。



「ぐっ…!!」

「エレキ!?」

「…大丈夫です。」

「そうなのか…?」



(変わった能力だな…。)