―南区・北―
確かに凄い雨。
雨が激しい音を発てて落ちる。
エレキは、びしょ濡れ。
氷河は簡易のカッパを着用。
「何処かにいるはずだ。」
「何処かって…。」
「一番雲が厚い場所だ。きっと。」
「きっと…。」
エレキは空を見上げる。
氷河の言っているような雲があった。
彼自身も気づいたようだ。
青年が知っている限りでは、
彼処には、小さな公園がある。
何も知らない少年は、後を追う。
小さな公園が見えて来た。
「晴花ー!!」
公園の中に入る。
雷も鳴っている。
公園の木の下に小さな女の子が座り込み、泣いている。
「っ…。」
近づいて行こうとすると、
落雷が起こる。
氷河は、上手くいかないらしい。
「俺が、どうにかします。」
エレキは、両手の黒い手袋を外す。
全身に黒い電気が帯びる。
雷は落ちて来ていたが、
エレキに当たる前に消えていた。
(何なんだ…?あの力。)
氷河はエレキの後に続く。
あの黒い電気はいったい何なのだろうかと思いつつ。
