「師匠、迎えに来てくれたんですか?」

「違うな。」

「ですよねー。」


軽い身のこなしで木から下りる。
師匠、切哀斬也。
空の色が移り変わる時間。
隠密の立場の自分達には動きやすくなる。


「時間だ。内容は分かっているよな?」

「うん。大丈夫。」

「赤次から頼まれた。」


斬也は黒川赤次からの依頼を受けた。
確か赤次は人と関わるのを止めていた。
過去の事を今も引きずっているのだろう。


「今回はお前と俺の情報網でも難しいな…長期戦だ。」

「了解でーす。」


2人は一瞬に消え去る。
その様子を火野愛紗は見ていた。

「…別に帰ってくるのに…、過保護なぁ…みんなは。」


アクビを1つして自分の部屋に入って行く。

全てを分かっているような言葉を呟いた。