愛紗は唐突に訊いた。
「磁波カンジの事好き?」
(は?)
エレキは何も言えない。
嫌いだ。嫌いに決まっていた。
でも、
他人にそんな事を言っても、メリットも何もない。
「まぁ、いいや。何かあったら相談しなさい。変な大人が多いけど。」
「お前が言う台詞か。」
「あ…はい。失礼しました。」
エレキは黒也の部屋から出て行く。
黒也と愛紗。
「おい、ここ俺の部屋。」
「ヤだ。面倒くさい。」
「おい…。」
だが、
黒也は一言も出て行けと言っていないのである。
愛紗は飽きっぽい性格であり、
そのうち、自然に出て行く。
それまで我慢するしかないのだ。
