この人の傍に居ると、危険だし…さっさと部屋に行こう……。
「えっと、電話…終わったので自分の部屋に戻ります…。」
男の人の横をすり抜けて、リビングを出ようとしたけれど、手首を掴まれた。
「二度寝でもすんの?」
「し、しないです。目もスッカリ覚めたので、まだ早いけど起きます。だから離して下さ……」
「“早い”っていう時間じゃねぇと思うけど?そろそろ出発しないとヤバイんじゃないか?」
えっ…?
ど、どういう意味…?
ニヤッと笑みを浮かべている男の人は、空いている手でリビングの掛け時計を指差す。
私は、首を傾げながら視線をそちらに向けた。
う、嘘っ…!?


