「そ、それは…無理です。心の準備もありますし…。」


「もうすぐ、この同居生活も終わるわけだし…、その前に陽菜からキスもらいたいな…。」


うぅ…
無理って言ったのに…。


そんな優しい瞳で、真っ直ぐ見つめられると…


キス…するしかないじゃん。


「わ、分かりました…。ただし、キスは唇じゃなくて頬にさせて下さい…。それと、目は…閉じていて欲しいです。」


断りきれなくなった私は、条件を出すことにした。


そうしないと、心臓が破裂しちゃいそうだもんね…。


「了解。」


声を弾ませた悠哉さんは、早速…目を閉じる。


わぁ…。
睫毛、長いんだ…。


思わず、ジッと見つめる。


顔立ちも整っているし、出会った時から感じてたけど、本当にカッコいい人だなぁ…。



あっ…
いやいや、見惚れてる場合じゃない。


今は…キスに集中しなくちゃ。


ドックンドックンと鳴り響く鼓動。


私は何度か大きく呼吸をした後、悠哉さんの頬へと顔を近付ける。


そして、素早く触れるぐらいのキスをした。