「まあ、いいや…。そうなった時には、きちんと言葉にして伝えるから。」
「は、はい…。」
言葉の意味が、よく分からないまま、少し首を傾げた。
「とにかく、卒業したら…俺の部屋に来いよ…。また陽菜と一緒に過ごせる毎日を、俺…楽しみに待ってるからな?」
コクンと頷く私の頭を、悠哉さんは優しい眼差しを注ぎながら、ゆっくりと撫でる。
包み込んでくれるような、温かい笑顔。
胸がジワリと熱くなっていくと共に、視界が滲み始めた。
そして、次の瞬間…。
ポトッ…
「えっ…」
手の上に落ちてきた雫に、私はビックリした。
う、うそ…。
私……涙が…。
「陽菜…?」
「す、すみません…。悠哉さんから、そんな風に言ってもらえて凄く嬉しいのに…、なんで涙が出てくるんだろう…?」
おかしいなぁ…。
慌てて涙を拭っていると、悠哉さんは軽く触れるように口付けた。


