「すみません…。」
申し訳なさを感じながら手を差し出すと、悠哉さんは傷口の消毒をし始めた。
「そう言えば、前にも…同じように手当てしたことがあったよな…。」
「ま、前…?」
「ほら…同居し始めたばかりの頃。陽菜がカレーを作ろうとして、野菜を切ってた時に指をケガしただろ?」
「あっ…、確かにありましたね…。」
頭の中に、当時の光景が蘇っていた。
二人より一人がいい…。
そう思ってたんだよね、あの時の私。
「陽菜、俺が隣に座って手当てしてる間、かなりアタフタしてたよな。」
「そ、そりゃそうですよ。だって、悠哉さん…私と触れるぐらい傍に座ってましたから…。正直言って、許容範囲をかなり越えてました…。」
「男に対する免疫が殆ど無かったもんな…。まあ、そんな新鮮で可愛い反応をする陽菜に、俺はだんだん惹かれていったんだけどさ。」
フッと微笑む悠哉さんに、私の顔は火が点いたかのように熱くなった。


