「陽菜!?」
驚いた表情を浮かべる悠哉さんは、しゃがみ込むとパッと私の手をとった。
血が滲んでいる指。
それを見るなり、悠哉さんは私をリビングへと移動させた。
「手当ては早くしなくちゃな。今、救急箱を用意するから、ソファーに座ってて?」
「はい…。」
力なく返事をした私はソファーにゆっくりと座った。
ケガしちゃうなんて、これじゃあ余計に迷惑かけてるよ…。
私のバカ…。
傷口を見ながら、キュッと唇を噛みしめた。
「陽菜、消毒するから…ケガした指を見せて?」
すぐに、救急箱を持ってきた悠哉さん。
私の隣に座ると、中から手早く消毒液や絆創膏を取り出した。


