ふたりだけの特別な絆


悠哉さんとの時間は大切に過ごさなくちゃ…。


そう思いながら、夕食を終えたものの…


食事の後片付けをしている時、また気持ちが沈んできてしまった。


時間、どんどん流れていっちゃう…。


もっとゆっくり進んで欲しいよ…。


そう思いながら、小さく溜め息を零した瞬間…私は拭いていたお皿を床へと落としてしまった。



“パリンッ”


キッチンにお皿の割れる音が響く。


「大丈夫か!?」


「は、はい…。すみません…。」


私は慌てて床にしゃがんだ。


「陽菜、危ないから俺が拾うよ。」


「いえ…。落としたのは私ですから…。」


悠哉さんに迷惑をかけたくなくて、自分で破片を拾い始めたけれど…


「……痛っ…」


焦っていたことが災いして、うっかり指を切ってしまった。