しばらく、課題にも身が入らず、ボンヤリと時間を費やしていると……
「ただいま。」
玄関から悠哉さんの声が聞こえてきた。
帰って来たんだ…。
気持ちが一気に浮上する。
表情が緩んでいくのが自分でも分かった。
早く行かなくちゃ…。
部屋を出た私は、急いで階段を降りた。
「悠哉さんっ、お帰りなさい…。」
「ただいま!」
私に気付いた悠哉さんは、すぐに優しい笑顔を向けてくれた。
「今日も、お仕事…お疲れ様でした…。」
「ありがと。陽菜の顔を見たら、疲れが一気に吹き飛んだよ。」
悠哉さんは、私の手を握って、傍へと引き寄せる。
そして前髪に軽くキスを落とした。
「好きな女の存在って…大きいな。陽菜がいるだけで、元気になれる…。」
ドキッ…
フワフワと頭を撫でられた私は、顔が熱くなってしまった。
そんな風に言ってもらえるなんて、照れくさいけど…
嬉しいな…。


