その後、ゆっくりと支度を済ませて学校にやって来た私は、A組の教室へ。
男友達と話していた翔琉くんを入り口のところから呼んだ。
「おはよう、陽菜ちゃん!」
「お、おはよう…。」
笑顔で駆け寄ってきた翔琉くんは、私の顔を覗き込んだ。
「どうしたの?何かあった…?」
「あのっ…翔琉くん!今日の放課後、時間…もらえないかな?」
「えっ?」
「大事な話があるの…。」
そう言うと、翔琉くんはジッと私を見つめてから頷いた。
「了解…。何も用事もないから大丈夫だよ。」
「ほ、本当?ありがとう…翔琉くん。」
「それじゃあ、また後でね…。放課後になったら、陽菜ちゃんの教室の前で待ってる…。」
翔琉くんは、優しく微笑むと教室の中へと戻って行った。


