ふたりだけの特別な絆


「今日付けで住んでたマンションの部屋を解約して、ここに来たんだよ。だから、追い出されても帰る場所がない。」


えっ…解約!?


「な、なんで解約なんてしたんですか…?」


「最近…引っ越しを考えてたから、ちょうどいいかな…と思ったんだよ。ここで2ヶ月住む間に、新しい物件を探そうと思ってさ。」

な、何よそれ…。
それで、あっさりと解約してきちゃったの…?


「それは…あなたの勝手な理由じゃないですか。と、とにかく…ここから……」

“早く出て行って”


そう言おうとしたけれど、男の人が私の唇に人差し指をあてたため、何も言えなくなってしまった。