「もう…!ここから出て行ってください。私は一人でも大丈夫ですから!」
バシッと玄関の方を指差した。
この人と2ヶ月も一緒だなんて無理…!
絶対に身がもたない…。
私は手をおろした後、男の人に背を向けた。
「こんな真夜中に“出て行け”か…。やけに冷たいこと言うんだな、陽菜は。」
男の人の言葉が聞こえてきたかと思うと、こちらに向かって足音が近付いてくる。
嫌な予感がして、振り向こうとしたけれど…
それよりも先に、腕を掴まれて男の人の方に体を向けさせられてしまった。
「それは出来ねぇな。俺にも色々と事情があるからさ…。」
「じ、事情…?」
首を少し傾げる私を見ながら、男の人は言葉を続けた。


