ふたりだけの特別な絆


今度は、頭の中で昨日の出来事がいきなり再生されても、大声を出さないように気を付けなくちゃ…。


我慢よ、我慢…。


自分に強く言い聞かせた。


交差点を右に曲がり、緩やかなカーブを描く坂道をズンズンと歩いていく。


この坂道を上った先が市立図書館だ。


少しずつ建物が視界に映り始めてきたところで、私はピタリと足を止めた。


「どうした…?突然、止まったりして…。」


不思議そうに声を掛けてきた悠哉さんをチラッと見た。


「あれが…市立図書館です。」


そう言って、私は図書館を指差した。


「あそこか…。少し高台にあるんだな、市立図書館って。」


「は、はい…。それで、もうまもなく着きますので…そろそろ手を離してもらえないでしょうか……。」


悠哉さんに向かって、私はお願いをした。


この坂道にはオシャレなカフェや雑貨屋さんがいくつか並んでいて、わりと人通りがある。


交差点を曲がってから何人かの人とすれ違ったし、チラチラと私たちを見ていく人もいた。


正直、すごく恥ずかしい…。


だから、図書館に着く前に手は離してもらいたいと思ったんだ…。