「ひゃああ!!もうっ…、なんで耳の傍で喋るんですか!!」
ドンッと思いっきり男の人の胸を押した後、私は慌てて立ち上がって、ソファーから離れた。
「そんなに驚くなよ…。」
「お、驚かない方が無理な話ですっ!」
苦笑いを浮かべている男の人に、大きな声を返した。
う〜…
耳がすごく熱いよ…。
ジワッと熱を帯びる耳に触れた。
「陽菜って、耳が弱いんだな…。」
「な、何言ってるんですか!?至って普通の反応だと思います…!」
「だから、要するに耳を攻められるのがダメってことだろ?」
意地悪な笑みを浮かべられてしまい、ますますカーッと耳が熱くなっていくのを感じた。


