今の音、悠哉さんにも聞こえただろうな…。
私自身もビックリぐらいのボリュームだったもん。
心臓がどうにかなりそう…。
思わず、片手を耳から離して胸を擦ると、悠哉さんの吐息が耳にかかるのを感じた。
「陽菜を絶対に振り向かせるから、覚悟しろよ?」
耳元で言われてしまい、勢いよく鼓動が高鳴る。
普段は、耳元で喋られようものなら、思いっきり悲鳴をあげるか、反論する私なのに…
あまりにもドキッと跳ね上がり過ぎた衝撃のためか、言葉どころか声すら出てこなかった。
「…………。」
沈黙し続ける私の顔を悠哉さんは横からチラッと覗く。
そして表情を見ると、にこやかに笑った。


