ふたりだけの特別な絆


「陽菜、なんだか…いつもと少し様子が違う気がするんだけど…何かあった?」


その言葉にドキリ…と心臓が跳ねる。


嫌な汗が背中をつたうような感覚がした。


「なっ…何もないです!!別に…私はいつもと変わりなんてないですから。」


「ちょっと目が泳いでるぞ?」


「そ、そんなこと…ないですってば!」


疑いの眼差しを向ける悠哉さんに、フルフルと首を振った。


悠哉さん、鋭い…。
指摘することが結構鋭いよ…。


だけど、ここは誤魔化さなくちゃ…。


翔琉くんに告白された…なんて、とてもじゃないけど言えないよ…。


気まず過ぎるもん…。


「本当に…何もないので大丈夫です。」


あらためて念押しをすると、悠哉さんは微笑んだ。



「そっか、分かった。じゃあ…着替えて早く降りて来いよ?もうすぐ夕飯のシチュー出来上がるし…。」


「えっ…」


「二人でゆっくり食べようと思って、早めに夕食の準備をしたからさ…。」



む、無理だよ…。


こんな気持ちのままじゃ、普段のように悠哉さんと面と向かって食事なんか…出来ない…。


そう思った私は、咄嗟に口を開いた。