ふたりだけの特別な絆


「どうかしたのか?」


玄関先までやって来た悠哉さんは不思議そうな表情を浮かべた。


「え、えっと…悠哉さんが帰って来てるとは思わなかったから、ちょっと驚いたんです。」


「でも、部屋の明かりとか点いてるわけだし、外から見れば…俺が帰って来てるの分かるだろ?」


確かにそうなんだけど、翔琉くんのこと考えていたし、俯き加減で歩いて来てたから気付かなかったんだよね…。


「あの…今日もお仕事早く終わったんですか?」


「あ、ああ…。あれ?俺…今日は午後から社内研修で、帰りは早くなる…ってこと、朝…陽菜に言ったと思うんだけど…。」


あっ!!
そ、そうだった…!


確か、朝…私が出かける直前に…そう言ってたっけ。


告白のことで頭がいっぱいになっていて、スッカリ忘れてた…。



「そ、そう言われれば…そうでしたね…。すみません…。」


私は、思わず苦笑してしまった。