「陽菜ちゃん、確か…ブランコに乗るのが好きだったよね?」


「そうだっけ…?」


「ほら、確か…いつも公園に来たら、真っ先にブランコに走って行って乗ってた気がするから…。」


あっ…


そう言えば、そうだったなぁ…。


頭の中に、小さい頃の記憶が一気に広がった。


「翔琉くん、そこまで覚えてるなんて凄いなぁ…。」

思わず感心してしまった私に、翔琉くんは目を細めて微笑ましそうに笑った。


「陽菜ちゃんだから、覚えてるんだよ。」


「えっ?」


私…だから?


瞬きを繰り返していると、翔琉くんは私の耳元に顔を近付けた。




「あんなに可愛い笑顔、忘れるわけないじゃん。俺…あの頃からドキドキさせられてたんだから…。」


そっと囁かれた言葉。


私は驚いた衝撃で、肩をビクッと大きく震わせてしまった。