な、何…?
“適わない”とか“気付かないわけない”とか…、二人で何を話してるの…??
会話の内容がよく分からなくて、キョトンとしてしまった。
「でも、肝心の陽菜本人は…気付いてないのよね…。」
「へ?」
「俺も、あの頃は何も伝えてなかったから仕方ないよ。やっぱり、伝えたいことは言葉にしないと伝わらないからさ。」
「えっ、ちょっと…!」
ニコニコしながら私に視線を注ぐ明衣と翔琉くんを、戸惑いながら見つめた。
ますます分からない…。
どういうこと??
頭に、いくつもの疑問符が浮かべていると、翔琉くんは教室の時計にチラッと目を向けた。
「あ!そろそろ昼休みも終わるから、俺…教室に戻るよ。」
「本当だ、もうそんな時間かぁ…。まだまだ話したいことあったのに。」
明衣も時計を見ると残念そうにため息をついた。
「これから話せる機会はたくさんあるよ。放課後も一緒に帰ったり出来るわけだし。」
「それもそうよね!3人で、あの公園にも行きたいなぁ…。」
「じゃあ、学校帰りに寄ろうよ。俺、今日明日は引っ越しの荷物整理で忙しいけど、明後日は大丈夫だから。」
「賛成〜!」
明衣は声を弾ませた後、私の手をギュッと握った。


