ふたりだけの特別な絆


「翔琉、久しぶり!よく私のことまで覚えてたわね〜。陽菜のことだけしか覚えてなさそうな気がしてたのに。」


「当たり前だろ?おてんばで、何かと口うるさかった明衣のこと、忘れるわけないじゃん。」


「私のどこが…おてんばで口うるさかったのよ〜。10年ぶりの再会だっていうのに、容赦ないわね〜!」


ガタッと席から立ち上がって、頬を膨らませるものの、声は楽しそうに弾んでいた明衣。


やっぱり、久しぶりに友達に会うのって…嬉しいよね…。


私も、すごく嬉しかったもん。


明衣と翔琉くんの会話のやりとりを見て、懐かしさのあまり、笑みが零れた。


「そういえば、翔琉はどのクラスに転入したの?転入生の噂とか聞いてなかったから、私たち全く知らなくてさ…。」


「A組だよ。なんか、担任の先生が転入のことを生徒に秘密にしてたらしい。だから、今日は同じクラスの子にも凄く驚かれたんだよなぁ…。」


苦笑いを浮かべる翔琉くんにつられて、私と明衣もハハハ…と苦笑いをしてしまった。


A組の先生、サプライズ好きな先生で有名だからな…。


まさか転入生のことも、当日まで秘密にするとは…。


どうりで噂も流れてこないわけだよね…。