「うーん。考えてみれば学校だって変わったんだよね、きっと。翔琉、どこに通うことになったのかなぁ…。」
「そうだね…。私たちの学年で転入の噂は無いし…別の学校かも…。」
この街には、他にも何校か高校があるからなぁ…。
明衣と二人で勝手に想像しながら、翔琉くんのことを話していた時だった。
「あっ、いたいた!陽菜ちゃんと明衣!」
ん?
こ、この声は…。
会話を止めて、教室の入り口の方に視線を向けた。
「か、翔琉くん!?」
目に飛び込んできたのは、入り口のところで私たちを見ながら手を振っている翔琉くんの姿。
私は、思わず目を見開いてしまった。
「えっ、翔琉!?うそっ、なんで??」
私に続いて、明衣からも驚きの声があがる。
二人で大きな声を出してしまったせいか…
お昼休みでザワザワしていた教室は、一瞬…静かになった。