ふたりだけの特別な絆


「ふ、ふたっ…二人で!?」


反射的に肩が大きく跳ね上がる。


ビックリした衝撃で声が裏返ってしまった。


「俺の率直な気持ち。今度の週末は、出張の準備とかあるから無理だと思うけど、その次の週にでも…また何処かに行きたいな。」


私の耳元から顔を離した悠哉さんは、無邪気な笑顔を見せる。


その表情にドキッとしつつ、頭の中では…ある言葉が引っ掛かった。


“出張”


ショッピングモールで水澤さんが、“宜しくお願いします”って言ってたっけ…。


つまり、悠哉さんと一緒に出張に行く…ってことだよね…?


あっ…
まただ…。


胸がチクッとした…。


何?
この不思議な痛み…。



「陽菜?降りないのか?」


悠哉さんは少し首を傾げる。


運転席のドアを開けようとした瞬間、私は咄嗟に口を開いた。



「あのっ…、出張って…水澤さんと二人で行くんですか…?」