や、やだな…。
こうして見てるだけで、すごくドキドキしちゃってるよ…。
カップを持つ手が小さく震えてしまった。
落ち着け、落ち着くんだ…私。
必死に言い聞かせていると、悠哉さんがフゥ…と息を漏らした。
「なんだか…俺以外の男たちが陽菜をジロジロ見ることが、すげぇ不快に感じてきた…。」
「え…?」
カップから視線を上げると、悠哉さんは怪訝そうな顔で周りの席をチラチラと見ていた。
「あの…悠哉さん?」
普段は見たことのないような表情に、私は戸惑いながら声を掛ける。
そんなにジロジロ見られてるのかな…私。
不思議に思いながら、周りの席に視線を向けようとした瞬間…
「陽菜は…見ちゃダメ。」
穏やかな声と共に、悠哉さんの片手が私の頬に触れた。


