ふたりだけの特別な絆


「へぇ…。陽菜だったら、さっきみたいな感じのナンパは既に男子からされてると思ったんだけど…。」


「あ、あれって…ナンパだったんですか??」


たまたま通りがかった私に、なんとなく声を掛けただけだと思ってた…。


あれがナンパなのか…。


驚いている私を見るなり、悠哉さんは可笑しそうに笑い始めた。


「どう考えたって、そうだろ。ったく、無防備な上に鈍感だよな…、陽菜は。」

「そっ、そんなことないです!」


別に、鈍感とか無防備っていうほどじゃないと思うんですけど…。


私はツンと口を尖らせた。


「まあいいや。陽菜が学校でナンパされたりしてたら、それはそれで複雑な気持ちだし。なんか安心した。」


えっ?
どうして安心なの…?


それに複雑な気持ちって、何…?


安堵したような表情でコーヒーを口へと運ぶ悠哉さんに、次々と疑問が浮かんだ。


そ、そうだ…。
疑問といえば、さっきの言葉…