ふたりだけの特別な絆


席に戻って来ると、店員さんが飲み物を運んできているところだった。


温かいココアとコーヒーがテーブルに並べられる中、私たちも再びイスに腰掛けた。


「ちょうどいいタイミングだったな。温かいうちに飲もうか!」


「そうですね…。いただきます…。」


私は、笑顔の悠哉さんから目の前に置かれたココアに視線を移した。


ホワホワと真っ白な湯気が立つココア。


わぁ…。
美味しそう…。


カップを持ち、口元に運ぼうとしたところで、悠哉さんが口を開いた。



「陽菜ってさ、学校でも…あんな感じで男子から声掛けられたことあんの?」


「えぇっ!?そんなこと一切ないです!そもそも男の子とは、殆ど話すこともないですから…。」


ブンブンと首を横に振りながら答えた。


悠哉さんってば、いきなり変なこと聞くから驚いちゃった…。


危うく、カップ…落としそうになっちゃったよ…。