「せっかくの良いムードを一瞬にして変えるなんて、さすが陽菜。」
そう言って、途端に声を出して笑い始めた悠哉さん。
さっきまでの甘くて危険な雰囲気は嘘のように消えていた。
私、笑われてる…。
思いっきり笑われてるんですけど…。
心の中に恥ずかしさが込み上げる。
可笑しそうに笑う悠哉さんを暫く見ているうちに、だんだん…イライラが募ってきてしまった。
「そんなに笑うことないじゃないですかっ!し、自然現象なんですから。」
私は口をツンと尖らせる。
ソファーから上半身を起こして悠哉さんを睨むと、不意に手首を掴まれた。


