触れられた手がピクリ…と震える。
ますます速くなってしまった鼓動は、悠哉さんにも聞こえてしまいそうなほどだ。
悠哉さんとレッスンで手を繋いだりするけど、こういう風に触れられたりするのって全然慣れない…。
ドキドキが半端ないよ…。
「陽菜…。」
「はいっ!ど、どうかしましたでしょうかっ!!」
悠哉さんに名前を呼ばれ、はね上がった心臓。
動揺のあまり、少し変な言葉遣いなってしまった。
「なんか…すげぇホッとする。お前の温もり。」
私の手を握る力が少し強くなる。
悠哉さんは、穏やかな表情を浮かべながら、スッと目を閉じた。


