ふたりだけの特別な絆


「陽菜、おやすみ。」


悠哉さんが、握っていた手を離した瞬間、私は首を横に振った。


「私、しばらく悠哉さんの看病…したいです…。」


「えっ?」


驚いている悠哉さんに、私は言葉を続けた。


「だ、だって…このまま部屋に戻っても、悠哉さんの具合が気になって眠れないと思うから…。」


一応、同じ屋根の下で生活してる人だもん…。


風邪で苦しそうな時に、何もせずに放っておくなんてこと…出来ないよ。



「でも、そんなことしたら陽菜が疲れるだろ?」


「大丈夫です!私…意外と体力はありますから、任せて下さい!」


私はニッコリと微笑みながら、悠哉さんの肩が隠れるぐらいまで布団を掛けると…


一旦、部屋から出た。