「でも、胸元に手…あてたままだし…大丈夫そうに見えねぇけど……」
頭の上にのせられていた手が、ゆっくり胸元へとおりてくる。
そして、私の手の上に静かに重ねられた。
や、やだっ…
これじゃあ、如月さんにも胸の鼓動が伝わっちゃう…!
温かい手が重ねられたことで、ますます心拍数が上昇してきてしまった。
「如月さん!痛くないですし、本当に大丈夫です!だ、だから手を…退けて欲しいです…。」
アタフタしながら必死に主張をすると、如月さんは重ねていた手をスッと離してくれた。
「そっか…。それならいいけど…。」
如月さんは私を見ながら、ホッと安心した表情を浮かべた。
ヤバイ…。
私は、ますます鼓動の音もスピードも増してきちゃったよ…。
このままだと身がもたないし、ここは…レッスンを直ぐにでも終わらせてもらおう…。


