恋愛上等!!

「…何」

学校からの帰り道。
後ろから誰かがついてくる。
溜息を吐いて振り返れば其処にはニヤニヤした顔の不良。

キモッ

「俺達さ~お金に困ってんだよね~」

いや、だから何だよ。
するとリーダーみたいな感じの奴が近づいてくる。

自分の目の前に来れば顎をつかまれる。
そしてニヤ、と笑えば顔を近づけて…くるのを阻止して。

「…てめぇら…いい加減にしろよ?」

満面の笑みで言ってるのにあいつ等逃げていく。
目の前の奴は腰を抜かしたみたいだ。
情けない。それでも男か?

「それで…?何でお金に困ってるの?」

笑顔で相手に近づく。

一歩

「…そんなに貧しいの?」

二歩

「……何処かに寄付、してるの?」

三歩

「………遊んでるから?」

図星?
相手がガタガタ震えだした。
失礼な奴だな。全く。

「す、ススススススイマセンデシタァァアアア!!」

凄い勢いで謝れば全速力で走って行った。
あ、こけた。だっせー

「もうこれに懲りたらやんなよー」

手を軽く振りながら鼻で笑う。
それが私の毎日。これが普通…だと思ってる。
恋なんて事したこと無い。だって興味無いから。

売られた喧嘩は買う。だけど喧嘩を自分からは売らない。
それに相手を殴ったり脅したりもしない。
それは最低な奴がする事、そう親に教えられた。
いや、極道はどうなんだよ…って思う。
まぁ家族は好きだし組の人も皆良い人達だから…

見た目は普通の女子高生と変わらないけど
夜になればガラリと変わる。

髪は金色で短髪。本人曰く喧嘩をする時に邪魔なんだそうだ。
というか向こうが勝手に男と勘違いしたから。
ムカついたから髪を切ってやった。
でも親に怒られた。だから学校に行くときはロングストレートのヅラ。
アレ…暑いから嫌なんだよね…

「さて、と…帰りますか」

はぁ、と息を吐けば足を進める。
組の人が迎えに来るって言ってたけど断った。
恥ずかしい。しかも秘密にしてるのにバレちゃうじゃん…

毎日こんな事があってるけど平和だな、って思ってた。
アイツのせいで私の平和が崩された。