嬢王と夜王の偽装恋愛

前のあたしなら
ほかのキャバ嬢なら
がめつく迫るんだろうけど・・・。


あたしは、変わってみせる。


「大丈夫ですよ。どんなお酒でも
お客様と飲むお酒には変わりないですから」


「はっ。変わったキャバ嬢だな。」


お客様は初めて笑ってくれた。


「俺、富沢。」


「富沢様。」


「今日リストラされたんだ・・・」



リストラ・・・。

それで暗かったんだ・・・。


「そうなんですね・・。
富沢様なら真面目で優しいから
きっといい仕事がすぐ見つかると
思いますよ」


「ありがとう・・・・」


富沢様はその後
指名してくれて
ドンペリをいれてくれた。


あたしは、いいですよって
言ったんだけど・・・。

気持ちだからって。


あたしは、こういうお客様
の気持ちになれる
キャバ嬢になりたいんだ・・・・。