「この子ったら、聞いてるの?ポチにコロン。そしてタロウよ?タロウ、聞いてるの?」 ポチとコロンは、わずかに首をかしげて ちゃんと 反応してみせる。 けれど 彼だけは、なにも 返事をしなかった。 お母さん犬は、 大きな鼻で彼をゆすった。 彼は、バチバチという音を聞いていた。 明るいなぁと思っている。 そして 大きな 大きな顔が自分を見ていた。 それが、彼のお母さんだと すぐに匂いでわかった。