《完》オフィスに鍵をかけて 〜キケンな部下と秘密の恋〜

そのまま脇目もふらず
出口に歩き出した背中に、
『あっ、待てよっ!』って
声がかかる。




だけどもう、あたしは
振り返りもしない。




一目散にオフィスに戻ると
荷物をつかんで、飛び出す
ように会社を出た。





外に出ると、1月の切り
つけるように冷たい風が
肌を突き刺す。




急いでて閉めてなかった
コートの前を閉めて、
ストールを巻いて。



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