今夜の『バイバイ』は……


そう、きっと、二人が次に
進むための別れだ。




楽しかったことも辛かった
ことも、情けない失敗も。




全部を大切な想い出として
しまって、新しい道を
進んでいくための。





「……サンキュー、美冬」




ビルを出た美冬の後ろ姿が
見えなくなるまで見送って
から、瑞樹は小さくつぶやいた。




(お前が来てくれたおかげ
で――なんかオレも、発破
かけられたよ)



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