Virus ―Another Story―

「少年院って……」


「俺にこれがついているという事がどういう事か…分かるよな?」


それはオレグが少年院に入っている受刑者だという事を物語らせていた。


「なんでこんな所に入れられてるのよ。一体何したの?」


この時、何故だか私はオレグの事が気になった。


しかし、相変わらずオレグは低い声のまま


「アンタには関係ない」


と切り捨てられてしまった。


でも、私は予想していたのでへこんだりしない。


「まぁ、確かに見ず知らずの私に…そんな事、言えないわよね」


私だって言いたくない事くらいはある。


ましてやオレグは犯罪を犯したのだから、その背景を答える等しないと思った。


「俺は誰であろうが言うつもりはない。話は済んだか?俺にはアンタに付き合う時間はない」


そう言うとさっさと部屋を出ていこうとする。


私は慌てて声をかけた。


「ちょっ、ちょっと待ってよ」


「なんだ、まだ用があるのか?俺には用がないのに」

む……。


相変わらずこの言い方、むかつくわ。


でも、ここで怒ったらダメよイル。


大人を見せてあげないと。


私はコホンッと咳払いしてから「気を付けてね」と伝えたかった事を言った。