Virus ―Another Story―

「ふぅ…兎に角…。ここは何処?」


私の質問に「ハァ?」と言わんかの様な顔をした。


「お前、何も知らずにここに来たのか?」


呆れた様な言い方に私は食ってかかった。


「う、うるさいなぁ!知らなくてゴメンなさいねぇ!私は人探しにこの町に今日!初めて!来たのよ!」


「煩い。静かにしろ。死にたいのか」


「うっ…」


確かに大声を出したら死ぬかも…。


私はそう思い静かにした。

「まぁ、後はアンタの好きにしな」


「人探しだろうが、なんだろうが勝手にすれば良い」とオレグは何処かに行こうとした。


「ちょっ、ちょっと待ってってば――」


ガシッと手を掴んだ時だった。


ジャラ…


「えっ…」


何か固い物に手が触れた。

それに目を移す。


それは鎖が千切れた手錠だった。


よく見ると両手についており、首と右手に付けられた金属には“No.754”と書かれた首輪がついていた。


「あ、貴方まさか…」


「…良い事を教えてやる。ここは少年院だ」


オレグは低い声で答えた。